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「力」を使って剣を振る! スポーツチャンバラ道 vol.14

こんにちは。Ta1−3(タイチサン)です。

全国各地で少しずつ練習を再開している道場やクラブが出てきましたね。
安全面に気をつけながら、シーズンに向けて調整をしていきましょう!


さて、今回のテーマは

「力」を使って剣を振る!

です。

剣の振り方、単純なようで意外と奥が深いんですよね。

手の内だったり、手の向きだったり、色々な要素が絡み合いながら僕らは扇打ちや掬い打ちを繰り出していますね。


今回は、手の内とか細かいところは一旦置いといて、剣を振る時に意識すると良いことについて書いていきます。



それは、「力」をうまく使う。ということです。

「力」といってもいろいろあります。

  • 重力
  • 遠心力

特にこの2つが重要だと思っています。

「重力」を使う

遠心力よりも分かりやすいと思います。

僕らは地球で生活しているなら、基本的に常に重力を感じながら生活をしています。

当然、剣にも重力がかかるので、上から下に剣を振り下ろす時には、重力を利用することによって、より効率よく剣を振ることができます。


ただ、何も意識せずに回し打ちをしたり、抑え打ちをしたりすると、重力を利用することはできないかもしれません。

抑えうちは上から下に振り下ろすという側面がある一方で、手前から奥に抑え込みに行く側面もあります。後者の要素が強い抑え打ちは、あまり「重力」を使えている打ちとは言えませんね。


「重力」を使えている打ちの分かりやすい例を2つほど挙げておきます。

上からの扇打ち

2019年全日本チャンピオンのI選手がよく使用する技のイメージです。
前に詰めながら、大きく振りかぶり、上から足を斜めに打ち抜くような攻撃です。

相手目線だと、大きく振りかぶりながら前に詰められたら、面を打たれる気しかしないですよね。

そこから「重力」も使ってまっすぐ足を打ちに来られたら、早すぎて反応できない選手が大半でしょう。

僕も、いいタイミングでこれをやられたら潔く諦めると思います(笑


基本防御姿勢からの足引き面

基本防御姿勢は初めて出した単語ですが、以前の記事で軽く触れた、「足と胴を引いて頭上を剣で守る」ポーズです。
バックステップをしながらこの基本防御姿勢をすれば、大抵の並の選手の攻撃は防ぐことができます。

頭上を剣で守っているので、ここから回し打ちの面を振ることで、自然に「重力」を使うことができます。

単純に、相手の足打ちに合わせて反射で肘を軸にして回し打ちの足引き面を合わせるよりも、綺麗に避けて上手なカウンターの攻撃を合わせられる確率が上がります。

遠心力を使う

こちらのほうが、重力より説明が難しいかもしれません。

というのも、元々はこれは僕の持論ではなく、文京SC前代表のK選手の影響を受けているからですね。

僕なりに僕の言葉で書けることを書いてみます。

まず、大切なことは「腕力だけで剣を振らない・制御しない」ということです。

僕も大学3年生くらいまで、剣の振り方については深く考えず、腕力で剣を振り、制御する戦い方をやってきたし、サークルでは後輩にも指導していました。

しかし、それにはどうしても限界がありました。
出技のようなタイミングが大切な攻撃は得意ではなかったし、特に女子選手の上達が元々の腕力に依存してしまったので、選手全員の上達に貢献できていませんでした。

あのとき、遠心力を使う剣の振り方を知っていれば..と今でも思います。

話が逸れましたが、「遠心力」を使うことを意識することで、腕力に依存しない剣の振り方を身につけられ、腕力に自信がない選手でも適切な剣速を発揮できるメリットがあります。

今回は「意識する」ということが大事!という話なので、細かいところまでは割愛します。

手の内や、肘の使い方、扇うちのスタート位置や軌道、タイミングなど様々な要素を絡ませながら、剣の先端にかかる遠心力を上手く使って剣を振ることができれば、どんなに剣速が速い相手だとしても、上手く出小手を合わせられる可能性が高まる!!

という話だと思って読み終えていただければと思います。


実際、「遠心力」を意識するようになってから僕も剣の握り方や振り方が大きく変わったので、どう変わったのかについてもまたの機会に書こうと思います。


ではまた!